Re:キャンペーンのシナリオ化

 市販のシナリオ集にキャンペーンを扱うものがあるのかどうか知らない*1けど、適当に持論での落書き言うことで。

TRPG履歴 - キャンペーンFunctionDays(追記部)
 
キャンペーンって進めば進むほど不確定要素が出てくるだろうから、シナリオ化に向いてないんじゃないかなあ、という頭があったりなかったりするわけですけども。

 PCの行動結果をフレキシブルに反映させるタイプのキャンペーンは、シナリオ化が難しそうやね。
 
 キャンペーンの構成の一つとして、1つの主目的のある、個々の話*2がその主目的に繋がってはいるものの、それぞれ相互にPCの行動結果による致命的な影響を受けない構成。
 いわゆるそれぞれの話が間接的な伏線でしかない形式の場合なら、シナリオ化自体は非常に楽というか、まあぶっちゃけそれぞれの話が差し変わっても問題ないわけだから、別にキャンペーンと言う体裁にするまでも無く、背景の繋がったシナリオ郡な感じになる。
 例えば、世界に散らばる7つの宝珠を集めることで、どんな願いでも一つだけ叶える事ができると言うお話。
 言うまでも無く「ドラゴンボール」の事だけど、キャンペーン構成としては「集めるようになった経緯」「7つを集める過程」「7つ集めた事で起こること」の起承転だけ決まっていれば、「承」の過程がどうであれ、最終的には「7つ集めた事で起こること」に辿り付く*3
 「ドラゴンボール」自体は大きく見るならば、これの繰り返しによる長期キャンペーンと言える。
 
 ただ、一番最初の「キャンペーンはシナリオ化に向いてない」という話に戻すと、シナリオ化という事だから、長期キャンペーンは元より想定外として、3〜6話くらいの短期から中期のキャンペーンを指している筈。
 
 たぶんシナリオ化するためのキャンペーンの構成として理想的なのは、PC達が成功を重ね続け辿り付く「転」パート*4と、PC達が失敗を重ね続け辿り付く「転」パートが、PCの立場が異なりながらも同じストーリーライン上に存在する形式の構成なのだろうと思う。
 もちろん、その両者が同じ結末*5に辿り付く必要は無いけれど。
 過程がどうであれ「転」パートで盛り上がることが出来、「起」「承」パートでの行動結果が考慮された形での「結」パートに結びつく「転」パートを提供できる形式が、シナリオ化しやすいキャンペーン形式なのかな。
 
 例をあげるなら、単純に「転」パートでの立場がPC達が成功し続けた場合は、敵側の一発逆転の作戦となり、失敗し続けた場合はその逆にPC側の一発逆転を掛けた作戦となるパターンもあるだろうし、成功し続けるか失敗し続けるかでキャンペーンの黒幕自体が反転するパターンなども「有り」ではあるだろう。成功し続けても失敗し続けても、PC達の行動により黒幕の目的が達成に近づくと言うパターンもある。
 
 それぞれの作戦が成功したか、失敗したか。ある人物が敵側に付いているのか、味方側に付いているのか。
 それぞれポイントとなる要素を抜き出し、それを元に演出に変化を付ける形式。いわゆるフラグ管理型構成。
 これが、キャンペーンをシナリオ化する上での一つの回答なんだろうなぁ、と思った。
 
 後は、それぞれの話について、連続性のある「ストーリー形式」なのか、断続的である「ミッション形式」*6なのかで難易度が変わってくる。
 後者の場合は、それぞれの話で基本的な道筋が分かれていたとしても、次の話には行動結果による要素を引き継げば良いので、フラグ管理型との相性が良く比較的にシナリオ化し易い。
 しかし前者の場合は、基本の道筋が一本道で無い場合は、その次の話にも全てを引き継ぐ形となる構造上、フラグでの管理と言うよりはむしろ「ルート分岐」が発生する。
 この「ルート分岐」が頻発する「PCの行動結果をフレキシブルに反映させる」構造のキャンペーンの場合は、想定できるルート全てを書き出すのが非現実的な場合が多く、いわゆるシナリオ化し辛い構成となる。
 
 この部分がTRPGの自由度と制約の配分にもなるわけだけれど、それぞれの手法の長所を折衷させるなり、割り切って一つのルートしか書かない等の方法もある。
 まあ、この部分はキャンペーンのみならず、個々のシナリオでの「シーン」にも言えるのだろうけど。
 なので、「シーン制のシナリオ」の書き方がそうであるように、キャンペーン用のシナリオと言うのは、ある意味システマティックに割り切って「フラグ管理型」で「ミッション型」な書き方が良いんだろうなぁ。
 
 ただまあ、キャンペーンとしてシナリオ化し易いかどうか、キャンペーンとして構造的に優れているかどうかは、全て別レイヤーでの話だし、「ルート分岐型」の方が本来望まれているキャンペーンの形なんだろうなぁって気もする。
 あと、要素だけ用意しておいてそこからPCの行動に合わせて話を組み立てる「アドリブ型キャンペーン」*7と言うのも存在はするか。
 この形式を書き留めるのは「シナリオ化」と言うよりは、どちらかと言うと「シナリオフック化」と言った方が正しいと思うので、「シナリオ化しやすいキャンペーンの形式」で無いことは確かやね。
 
 と、まあこんな感じの主義でも主張でもない戯言を綴って見た。

*1:と言うか、むしろシナリオ集を買ったことが無いから余計に知らない

*2:1セッション単位

*3:自分が集めるにせよ、他人が集めるにせよ

*4:キャンペーン最終話

*5:エンディング

*6:もしくは「一話完結型」

*7:フルアドリブセッションに非ず